地元愛いっぱいの和の達人「一灯」

地元愛いっぱいの和の達人
三河醸しツアーのお昼ごはんは碧南市の日本料理「一灯」が定番です。

料理長は、長田勇久さん。
今回のロケでは、実は、ディナーに伺っております。

この収録で一番の驚きは、どの蔵主さんも、ぶっつけ本番、撮り直しなしということ。
タレントならば当たりまえかもしれませんが、みなさん、素人さん。しかも、カメラを向けられて「どうぞ」で話せること自体、アンビーリーバボーのこと。

そのなかでも、私は、長田さんのインタビューは圧巻であったと思う。
私たちが望むメーッセージの200%話してくださった。
それは、長田さんがこの地で生まれ育ち、地元愛が半端なく、作り手との交流の長さがホンモノであることの証だと思う。
私は、毎回、長田さんの料理を食べ、素材の生かし方、特に三河の調味料とのマリアージュが素晴らしく、大好きな店のひとつとなった。

3年前の12月、長田愛がつのり、ついに、一灯のおせち料理の仕込みを手伝わせてほしいと直訴。私も、毎年、おせち料理講座を開催しているし、プライベートでも1年の締めくくりとしておせち調理を作ってきた。長田さんに習いたい!近くならば、毎日でも丁稚奉公したい!
夢の実現。やっぱり、当たって砕けろとはよく言ったもの。
「一灯」の厨房は、長田さんとお弟子さんの山下先輩2人で切り守りされていることにまず、びっくり。客数やお節料理の数からみても、ありえない人数だとそのときは感じた。しかし、一緒に仕込みを手伝うと、なぜ、それが可能なのかを知ることになる。

スチコンや真空パック機など最新の調理器具をみごとに使いこなされ、仕込みに全くの無駄がないのだ。土鍋や鉄鍋、低温調理道具も適材適所に使われている。
私は、「50℃洗い」「低温蒸し」などを提唱してきたので、「一灯」の厨房は、本当に、目からうろこ、学ぶことだらけで、時間の経過を感じない程。

私の活躍を評価してくださり、翌年も助っ人に声をかけていただいたことは、何よりの勲章。

長田さんは、大学卒業後、東京の「つきじ田村」で修行をされた。
昨年末、田村隆さんが急逝され、長田さんもショックを受けられていた。そのとき、長田さんは「田村の食材を生かす料理方法をこれからも伝えていきたい」とのことだった。

長田さんは、コロナ前は、月1回、東京の私たちの教室で「和食のいろは」という講座の講師を務めてくださり、大人気の講座。
和食の料理人は、誰もが食材や調味料にこだわっているかと思われがちだが、そんなことはない。私は割烹料理店で生まれ育ったので、そのことは誰よりも感じてきた。
ちゃんとかつお出汁を取っているのに、ハイミーを使う板場さんは少なくなかった。

長田さんは、食材の製造から作り手のこだわりまで理解され、それにプロの技をプラスされ「一灯」の料理として提供されてきた。
コロナ禍でも和食の魅力を途切れることなく、伝えていこうと長田さんとZoom講座も不定期ながら開催させていただいている。

三河や知多半島の生産者のみなさんの製品をこれからも、長田マジックで使いこなし、おいしい料理を提供してくださることを願います。

◎三河醸しツアーはこちら

http://whole-food.jp/association/三河醸しツアー/