Vol.04 経皮毒を知ろう

ホールフードでいこう 〜ホールフードを知ってもらうための入門コラム〜
written by タカコナカムラ

Vol.04
経皮毒を知ろう


経皮毒という言葉を知っていますか?
有害化学物質が人体へ侵入するルートは、口から入る「経口吸収」が8%、皮膚から「経皮吸収」が7%といわれています。さて残りは?
意外なことに、空気と一緒に吸入する「経気道吸収」が84%と一番多いのです。
口からのものは『初回通過効果』といわれ、添加物や農薬などの物質はほぼデトックス(解毒)できます。ですが空気からの化学物質の侵入がこれほど高いことに驚きませんか?肺に入った有害物質は、すぐに心臓に運ばれ、血液に溶け込み体内のあちこちで吸収されます。「シックハウス症候群」と呼ばれる現象でも、新健在や内装資材から発生する成分の混ざった空気を吸うことで頭痛や吐き気、目がチカチカしたりすることなどからも、すぐに身体に影響があらわれることがわかります。
20年余前、歩行も困難になった山下玲夜さん(ホールフードスクールでも講座を担当されています)は『子宮内膜症』と診断されました。
投薬とホルモン治療を開始してからは薬の副作用もひどくなっていったそうです。そのときに友人から「シャンプーやリンスが原因かもよ」と言われてすぐに実行してみたことろ、徐々に痛みがなくなり健康を取り戻したとのこと。山下さんは化学物質が体外から侵入することを「経皮毒」と名付け、たくさんの人に有害化学物質の怖さを理解してもらうために、自らの体験を伝える活動をはじめられました。 

身近な経皮毒グッズ

「経皮毒」と聞いてもピンとこない人が多いと思いますが、例えば心臓の発作を止める貼り薬「ニトログリセリン」や禁煙を促す「ニコチンパット」は、経皮吸収の即効性がわかります。
私たちの皮膚は、表面から「表皮」「真皮」「皮下組織」の三重構造になっています。表皮の一番外側には「角質層」があり、絶えず新しい皮膚細胞と生まれ変わる機能と外からの異物を侵入させないバリア機能とを持っています。皮膚のなかで一番深い部分の皮下組織は、皮膚と体内を結合する役割をもっていますが、なんと経皮毒はバリアを潜りぬけて侵入し、ここに溜まっていくのです。
本来皮膚バリアはどんな物資も侵入してしまうことはありません。海に入り海水が体内に染み込んできたら大変です。皮膚の表面には皮脂腺から分泌されたワックスのような脂分があるため、通常の物質は侵入をブロックしてくれるのです。しかしここで問題になるのが「合成界面活性剤」というトランスポータ役の悪者。石油をもとに人工的に作られた「合成界面活性剤」は、運び屋トランスポーターとして有害化学物質の侵入を許してしまうわけです。そんな悪者は合成洗剤、化粧品、日用品などに多く使用されています。
それは化学物質が使われている商品を選ぶ私たちにも責任があります。使った瞬間の使用感、真っ白な洗濯物、こすらずに落ちる洗剤など、瞬間の効果を期待しすぎるからです。

皮膚の構造

私たちの皮膚の厚さは体の部位によって異なります。かかとは硬いですしまぶたは薄いですよね?皮膚ではありませんが、口の中や肛門、生器などの粘膜はバリア機能が無いため吸収率がとても高くなります。ですので粘膜に使用するものは要注意です。座薬に即効性があるのは、逆にその作用を利用しているからです。
二の腕を1とすると、硬いかかとは0、14倍。手のひらは0、83倍。脇の下はぐっと高くなり3、6倍。ひたいは6倍。頭は3、5倍。チークを塗るほほは13倍。 生器は、なんと42倍という数値です。
しかも温度が高い方が吸収されやすいという結果があります。つまり、お風呂タイムは経皮毒吸収タイムになるかもしれないということですね。
ですのでお風呂で使うものは特に注意が必要となります。
皮膚バリア機能がしっかり出来上がっていない赤ちゃんや幼児には、大人以上に気をつけてあげる必要があります。 
小さな子供はカラフルな歯磨き粉や入浴剤が大好きです。そして今は子供用のメイク製品があるほど。
でもそれらを自分から買いに行く子供はきっと少ないはず。お母さんたちが安全なものを選ぶ目を持つことが大切ではないでしょうか。

継世代毒性とは

「沈黙の春」(レーチェルカールソン著)でも、有害物質は胎児の頃から影響を受けていると警鐘を鳴らしています。
「経皮毒」は、肝臓を通過しないため、体に残り、そして巡っていきます。次の世代へと伝承される「継世代毒性」が問題なのです。かつてベトナム戦争の枯葉剤の影響で生まれた奇形のある赤ちゃん。湾岸戦争で使われた劣化ウランの健康被害。戦争という強いストレスやPTSDにより健康を害したというだけではなく、私はその時の「経皮毒」は人体に計り知れない影響を与えたと思っています。
つまり人間の健康を奪うもの、自然環境を消滅させるものは、「戦争」なのです。

平和が一番大切

日本では「平和」という言葉はあまりに普通で当たり前に使われていますから、「平和」を日々祈る人は少ないかもしれません。
ですが「平和」は、私たちの健康にも美容にも、そして森を守り海を育てるためにもとてもとても大切なのことなのです。
「え~~っ、大きすぎてわかんない~~~?!ホールフードとどんな関係なの?」って声が聞こえてきそうですね。
ホールフードは、私たちを取り巻く状況をよく観察し、ふと疑問に思うことを「知る」ことから始まります。
自分の目と耳で確かめることがホールフードではとても大切と考えています。
今の世の中は情報に溢れています。そのなかには間違いや嘘もまるで経皮毒のように入り込んでいます。
自分の目と耳、時間と足を使って調べたことは生涯の「生きる知恵」として私たちの身体と心に組み込まれていきます。
「ホントに?」
はい、ホントです。なぜなら私が30年間ホールフードとともに歩き、学んできた体験がそう証明できるからです。