ひとめ惚れした兄貴の国産なたね油「ほうろく屋」

三河醸しツアーロケ、発酵・醸造蔵を訪ねるツアーの中、唯一、規格外が国産なたね油100%の油屋「ほうろく屋」です。

ツアーに組み込むか否かはちょっと考えました。作るものは発酵・醸造品ではないが、人間がめちゃめちゃ、醸しているということで、ツアー訪問先に加えることに。

通称、ナタネマン。私たちは、敬意を込めて「兄貴」と呼ばせていただいている。

数年前に、碧南でのイベントで遠目にちらっと見かけたとき、マジに怖かった。兄貴は覚えておいでだろうか、挨拶に近寄ったとき、私は名刺を差し出したところ、兄貴は、何か揚げ物をされており、「あっ、どうも」で終わった。見るからにヤンキーっぽく、私は、関わらないようにしよう・・・と密かに思った。

その後、ツアーコーディネーターの蜷川さんからの熱い推薦で、三河醸しツアーで訪問させていただき、まさかのひとめ惚れ。というより、訪問した誰もが兄貴の人間的な魅力に一瞬で惹きつけられたと思う。

兄貴は、他の蔵元さんと異なり、代々の油屋ではありません。先代の油屋のご主人が廃業することになり、そこでバイトしていた兄貴が手をあげた。「俺に継がせてくれねーか」と。なぜなら、そこで食べる賄い飯がたいそう美味しかったのだそうだ。こんな美味しいナタネ油をつぶしちゃならね〜と男気満々の兄貴は油屋になったのでした。

ツアーの際、日間賀島のホテルにも同行してくださった。兄貴との伝説のひと夜。お酒も回ったことを確認し、私は、恐る恐る、兄貴に聞いた。「昔、ヤンキーだったでしょ?」と。兄貴は、ニヤニヤしながら、ヤンキー当時の写真を見せてくれた。確か、ピンクのシャコタンのクラウンだったような記憶が。「やっぱね、やっぱね」とそれから、兄貴との距離もなくなった瞬間。

兄貴は、世の中からドロップアウトした若者をなんとか社会に復帰させる施設を作りたいと熱く語り、そのヒストリー、国産のナタネの生産者を増やそうとする活動っぷりは、そこらのITベンチャーのサクセスストーリーの何100倍も魅力があった。

今回、再び、訪問させていただき、さらに兄貴ファンモード上がってしまった。

コロナ禍で、どの生産者も商売は大変な状況のなか、兄貴の会社は油の売り上げが下がっていないと話される。

蜷川さんが横から「信者さんが多いからね」と突っ込まれる。確かに、ほうろく屋のなたね油はけっして安くはない。でも、原料、製法からみるとけっして法外に高いわけではない。

みなさん、オリーブ油は、高くても買いますよね。なんだか、良質のなたね油は日本人にとっては、なじみが薄いように思う。

私は、油の使い方については、冷たい鍋に油をいれて調理をはじめる「コールドスタート」に始まり、必須脂肪酸オメガ3やオメガ9の選び方など料理を教える上でかなりのこだわりをもってきた。どんないい油でも加熱を繰り返してはいけないし、揚げ物したら一回で使い切るなど生徒たちに伝えてきた。

ほうろく屋のナタネ油で妻のワカちゃんが素揚げしたイワシの煮干しを口にしたとき、油のタブーはなしだ。兄貴の油はどう使おうが、それは言いっこなし。そんな油のちっぽけな知識なんて、兄貴には不要だ。

ロケでは、原料のなたねの選択方法、天日干しなども見学することができた。インタビューを見ながら、兄貴で1本番組作れる!と思ったほど。

オンライン配信では商品付き視聴セットがあり。こちらは、かなりお得なセットになっています。中でも、高価なほうろく屋のなたね油が組み込まれている。

ロケの帰り際に、セットに組み入れたいが予算が限られているといったところ、男気満々の兄貴が、私たちのイイ値で仕入れさせていただくことが決定。

先代から引き継いだほうろく窯の前には、神棚があり、そこに手を合わせる兄貴の姿。

やっぱり、カッコよすぎますね。

◎三河醸しツアーはこちら

http://whole-food.jp/association/三河醸しツアー/